音のまにまに

おんがくや好きなことについて、のんびりと。

綿毛のきせきをおいかけて Mizcreid / “Dande-Lion” #vocanote

綿毛のきせきをおいかけて


ふわり ふわふわ ふーわふわ

お空へむかって とんでいく

知らない場所へと とんでいく

自由気ままに とんでいく

「僕も乗りたいけど、無理だよね。

だから、かわりにおまじない。願いが叶うおまじない。」

ふわり ふわふわ ふーわふわ
――――明日はどこへいくのかな。


太陽に負けない花


 たんぽぽは、あなたにとってどんな植物ですか。 私のたんぽぽのイメージは、花というよりも雑草のイメージが強いです。 同じように太陽を思わせる向日葵に比べると、茎は細く、地味で一見頼りないように思えます。

 

 でも、この花には他の花にはない力強さがあります。

 

 作者は、療養中にこの曲を作ったそうです。(動画説明文参照) 歌詞中の”蒼い手”は自身のことでしょうか。

 

 これは私の勝手な憶測に過ぎませんが、作者が目を伏せ気味に窓の外を見たときに、ふと目に入った”眩しい色”に目を細めたのではないでしょうか。春がやって来ると当たり前のように咲く、この花に、元気を貰ったのかもしれません。普段は気づかない小さな命の力強さに救われたのかもしれません。


 体も心も本調子ではない”私”の変わりに、どこまでも飛んでいって自分らしく咲き誇ることを願ったのかもしれませんね。

 

 『Dande-Lion』は、聴き手に強烈な印象を残す作品ではないかもしれません。 でも、気分が落ち込んでしまったときに、そっと元気を運んでくれるはずです。

 

 そう、”ふわふわ綿毛”のように。

 

※このレビューは、音楽レビューサイト「DAIM」に寄稿したものを再編集したものです。